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ヒロ・ヤマガタ大迷惑!?絵画商法のえうりあんの実態とは?実体験つき
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図解でわかる!絵画商法のえうりあんの実態とは?

絵画と聞けば「心を揺れ動かす芸術品」「アーティストが魂を削り作ったもの」「審美眼を磨けるもの」などと、イメージするかもしれません。

しかし、これを絵画商法の詐欺師に視点を置き換えると

  • クリエイターを騙して安く買い叩くもの
  • オタクを騙して高く売りつけるもの
  • お金儲けに利用するためだけのもの

と、まるで意見が変わります。

今回は、一部で「えうりあん」と称される絵画商法の詳細について解説します。

またクリエイター系専門学校に通っている人間は、絵画商法詐欺に遭遇しやすいという実体験も書いております。

秋葉原名物えうりあん

秋葉原名物えうりあんえうりあんとは「絵を売る人」のネットスラングです。

最近でこそその姿は減りましたが、まだ一定数いるという報告もあります。

えうりあんのターゲットの多くを占めるのが、オタクの男性や上京して間もない人などです。

まずは、なぜ彼らがターゲットにされやすいのかを解説していきましょう。

オタクの男性

詐欺というのはコミュ力のある人間が、コミュ力の低い人達を騙すというのがよくある構図です。

もちろんコミュニケーションをとれるオタクの人達もいるでしょうが、総体的にいえば少数なのも確かでしょう。

悲しい現実ですが、オタクの人達は詐欺のターゲットにされやすいのは否めません。

絵画商法は、東京でいえば秋葉原、大阪でいえば日本橋で一時期、かなり盛んに行われていました。

オタクの聖地に、絵画商法詐欺に使う画廊を構えて巧みに誘いこんでいたのです。

オタクの男性で異性慣れしていない人ほど、女性から声をかけられただけでドギマギしてしまうものです。

詐欺師はよくフットインザドアというテクニックを用いるものです。

これは足先をドアが開閉する隙間に入れて、締めるのを防ぐ心理的技術です。

えうりあんは、特にフットインザドアのテクを好んで使います。

最初からオタク男性に「絵がほしくないですか?」「絵を買いませんか?」とは言いません。

道行く男性を呼び止め

お兄さん、ちょっといいですか?

今、無料で絵画の展示会やってるんですが、興味ありません?

などと愛想よく声をかけます。

男性側が目を合わせず、ぼそりと「ちょっとだけなら……」と答えた後、「久々に女性と話した」「もしかして、これは恋の始まり?」と、内心、喜ぶことだってあるかも?

しかしここからが怒涛のジェットコースター詐欺の始まりです!絵画商法の一連の手口

  1. 道路で声を掛ける
  2. 画廊に連れて行く
  3. 絵の説明をする別のスタッフと交代
  4. クロージングされて絵画購入

というのが、絵画商法の一連の手口です。

クロージングに慣れた詐欺師の言葉の引き出しは、無尽蔵。

彦摩呂の食レポなみに表現が豊富です。

詐欺師はターゲットを人間として見ていないので、不誠実な言葉が湯水のように溢れ出します。

気がつけば、ふらふらと画廊を出て「いつの間にか契約させられてた…」となるのが絵画商法の恐ろしさです。

田舎から出てきた男性

詐欺師が狙うのは百戦錬磨を潜り抜けてきた人間よりも、どちらかというとまだ世間をよく知らない純朴な人間です。

特に都会へ出てきたばっかりの男性は、カモにされやすく、えうりあんからすれば格好の獲物です。

田舎で受けた教育が仇となるのです。

「人に親切にしないといけないよ」「人の話は最後まで聞かないといけないよ」という教えは、えうりあんからするとかなりありがたいのも事実です。

なぜなら、善人の方がコントロールしやすいからです。

都会慣れしている人は、「あっ、またえうりあんがいる」と、道端に転がる石ころを見るように捉えるものです。

えうりあんに話しかけられても「ふ~ん…」といった感じで、気にとめず無視します。

しかし、ピュアで上京したばかりの人は、誰に対しても丁寧に接するよう心がけます。

この優しさに、えうりあんはつけこむのです。

えうりあんは、手に入りにくい物ほど欲しくなるスノッブ効果を駆使します。

スノッブ効果とは、「残りは展示されている現品だけ」と、希少性で購買意欲をかきたてる心理学テクニックです。

クリエイター志望者

筆者も20年近く前にクリエイター系専門学校に通っており、筆者自身や同じ学校の友達がよくえうりあんの勧誘に合っていました。

詳細は下記で語らせていただきますが、クリエイター志望者は

  • 絵に興味がある
  • 強い承認欲求

という要素を持ち合わせているため、えうりあんからするとかなり陥落させやすい対象です。

街頭で声を掛けてくる、えうりあんは女性が多く、ロックオンされるのは男性がほとんどです。

しかし、一部クリエイター系専門学校に通っていたり、クリエイター志望の女性が餌食になることもあります。

伝家の宝刀「シルクスクリーン」

秋葉原では「えうりあんは油絵をけなし、版画を称賛する」と、まことしやかに囁かれています。

声掛けしてきた女性えうりあんに連れられ画廊に入ると、営業担当の人間が「いかにこの画廊にある絵は素晴らしいか?」を滔々と語り出します。

その中で必ずといっていいほど

この絵は油絵じゃないので

この絵はシルクスクリーンなので

という言い回しが使われるものです。

えうりあんからすると油絵は「経年劣化しやすいし、メンテナンスが大変なもの」という位置づけです。

暗に油絵のデメリットをかなり主張してくるのです。

油彩画の修復を専門とする絵画修復士、保存修復士というプロフェッショナルがいるほど、確かに油絵の保存は簡単ではありません。

さて、えうりあんがしばしば口にするシルクスクリーンとは何でしょう?

シルクスクリーンとは、孔版画の技法の一種です。

インクが通過できる部分と通過できない部分を作ることで版画の版を作り、印刷するやり方です。

シルクスクリーンによって、版画は何枚でも同じように再現が可能になります。

シルクスクリーンは、油絵や水彩画などよりも希少価値が低く安価なものも少なくありません。

そのため美術商からすると、製版方法がシルクスクリーンとわかった途端、「価値が低い」と判断することもよくあるのだとか。

素人からすると、絵画の作り方など専門外のため、シルクスクリーンに高い価値があると思い込まされ、いとも簡単に詐欺被害に遭ってしまうというわけです。

「リトグラフとシルクスクリーンとジークレーの違いについて詳しく教えてもらえますか?」と、尋ねられ「そんなことよりも…」と話を変えるえうりあんは、大した知識がないとジャッジできます。

リトグラフ、ジークレーも版画の技法の一種です。

これらの知識を入れておくことは、えうりあん撃退の一助となるでしょう。

絵画を提供しているクリエイターも騙されていた?

次に絵画商法で売られている絵を描いたアーティストに目を向けていきましょう。

著名な画家であるヒロ・ヤマガタは「日本で紹介されている作品の多くは米国の悪徳画商に騙され押しつけられて描いた絵」と赤裸々に内情を説明しました。

絵の力を使って金儲けを企む輩は、日米問わず存在するようです。

イラストレーターの純珪一さんは、「企画書の内容を深く確認せずに、販売目的ではなく展示だけが目的だと思い込んで無償で作品を提供」「複製原画にサインを入れる段階でおかしいと気付いたが手遅れ」と告白しています。

やはり複製原画というのが、キーワードです。

えうりあんたちからすると、安くたくさん複製が作れるとなれば、もうウハウハです。

金のなる木を手にしたも同然です。

純珪一さんが「許諾なく販売された後にサインを入れるよう要請された」と悔しそうに漏らしていることから、彼も同じく絵画商法被害者であることが伺えます。

また『Memories Off』というゲームの原画家を務めた松尾ゆきひろさんは、自身のブログで次のように語りました。

「本人の知らないうちに企画・実行されていてどんな展示会かも知らない、後からサインを入れる業務が発生した」と。

このようにアーティスト本人が知らないうちに、絵画商法に巻き込まれていたり、結果的に詐欺の片棒を担いでいるケースが少なくないようです。

ヒロ・ヤマガタ

ヒロ・ヤマガタ

純珪一

純珪一

Memories Offの原画家・松尾ゆきひろ

松尾ゆきひろ

ちなみにイルカの絵で有名なクリスチャン・ラッセンは、上記のアーティストとはスタンスが異なる様子です。

ラッセンは芸術的な評価よりも、「どんな形であれたくさんの人の目に触れて、儲けてお金持ちになりたい」と割り切ることができた珍しいアーティストです。

多くの芸術家は「アートとは神聖なもので、大衆に迎合して成功しても意味がない」と考えます。

ラッセンはそういったアーティストと真逆のスタンスです。

版画の販売などを行う企業のアールビバンは、ラッセンの作品を多数手がけてきました。

本来であれば儲けたい側アールビバンは、ばんばん版画をすりたいはずです。

ラッセンのように売れる版画をするのは、お金をすっているのと何ら変わりません。

ところがあまりにラッセンがたくさんすることを求めるため(1つの版画で3,000ずり前後いったこともあるのだとか)、アールビバンから「ラッセンはん、さすがにすりすぎでっせ!」と、注意を受ける珍しい事態となりました。

成功できるアーティストは、全体のごく一部です。

ラッセンのような割り切りができる人もまた一部です。

ほとんどのアーティストは、それほど豊かな暮らしをしておらず「もっと絵を売って生活を楽にしたい」と考えています。

そんな切実な悩みを嗅ぎつけた絵画商法詐欺師たちが、「ええ話おまんのやけど、どないでっか?」と近寄ってくるというわけです。

クリスチャン・ラッセン

クリスチャン・ラッセン

絵画商法詐欺は「芸術に相場なし」を利用

もしあなたスーパーで卵を買おうと思って、「1パック1万円」と聞けばどう思いますか?

「アホか!」「高すぎるわ!」「誰が買うねん!」と、数々のツッコミが瞬時に浮かぶはずです。

なぜ、ツッコめるかといえば、それはあなたが卵の相場を知っているからです。

しかし、これが会話になった途端「特別に80万円でお売りします」と言われれば、「芸術品だから、それくらいするだろう」と納得してしまうかもしれません。

村上隆氏の巨大美少女フィギュア

村上隆氏の巨大美少女フィギュア

芸術品の相場は、あってないようなものです。

例えば、日本が世界に誇るアーティストである村上隆氏の巨大美少女フィギュアは、2003年にロンドンで6,000万近い金額で購入されました。

これも買い手からすると「大枚をはたく価値がある」と映ったのでしょうし、興味がない人からすると「こんなフィギュアに大金を払うなんて、意味がわからん…」としかいいようがないのです。

相場が明確ではない芸術を、詐欺ロジックを構築するジャンルとして選んだのはかなりクレバーです。

ちなみに、絵画商法で多数販売されていたクリスチャン・ラッセン、ヒロ・ヤマガタとも「商業に走りすぎている」「消費される作品を乱発しすぎる」とされ、美術界の本流からは無視されているという見方もあります。

実体験!クリエイター予備軍は格好のカモ!?

実体験!クリエイター予備軍は格好のカモ!?ここからは、クリエイター系専門学校に通っていた頃、筆者がえうりあんのアプローチを実際に受けた体験談となります。

20歳前後の頃、筆者は大阪の難波近辺にあるクリエイター系の専門学校に通っていました。

漫画コースを専攻していたので、クラスには絵に興味がある人達が自然と集結していました。

授業を終えて、友達とふたり繁華街を歩いていると、綺麗なお姉さんが

展示会やっています。今なら無料で見ていただけますよ

と、にっこり笑いかけてきました。

僕らはプロの童貞だったこともあり、ほわ~と気持ちよくなり、お姉さんに言われるがまま画廊へ案内されることに…。

スタイリッシュな室内には、たくさんの絵画が展示されています。

お姉さんはまた外で別の人間に声を掛けるべく戻っていきました。

さて、一通り絵画を見せてもらった後、僕にはややふくよかな女性が、友達にはモデルようにスラリとした女性が担当としてつきました。

繰り返しになりますが、ふたりともプロの童貞です。

僕は内心「担当、変えてくれへんかな~」と思っていました。

僕らは分断され、少し離れた別の場所に案内され個別で各々女性と話すことになったのです。

ふくよかな女性は

どの絵がよかったですか?

と質問されました。

最後から2番目に見た絵ですね

と答えた途端、彼女の表情が変わります。

えっ、あなたお若いのにあの絵の良さがわかるの!?

(なぜかここからずっとタメ口)

一応説明しておきますと、ほとんどの詐欺師は相手の承認欲求を利用して、お金を搾取しようとします。

その後、女性は

部屋へあの絵を飾った光景をイメージしてみてくれない?

など興奮気味に語ります。

僕は「あの絵、いくらするんですか?」と率直に尋ねたら、女性は右手を突き出し手の平をパッと開いて「50万」と説明。

その瞬間、僕は大阪人の習性で「たかっ!」とすぐリアクションしてしまいました。

しかし、女性はひるみません。

僕の手をぎゅっと握り、上目遣いで

心配ないよ

と優しく語りかけます。

女性は

高級な絵を買って、部屋に飾るの。
その作品と釣り合うよう、あなたがどんどん成長すればいいの。
あなたならできるはず。

などと続けます。

あなた漫画家を目指してるって言ってたわよね。
あの絵の力で漫画家になっちゃいなさいよ!

と、クロージングを仕掛けてきました。

いくらプロの現役童貞だった僕でも、怪しさを感じずにおられません。

ガロというマイナー漫画雑誌にかぶれ、サブカルクソ野郎の真っ最中だった僕はふいに「つげ義春の原画ないですか?」と、脈絡無視の質問をすることで反撃しました。

「商業漫画雑誌ではなく、原稿料が出ない雑誌ガロから生まれたつげ義春の『ねじ式』が、いかに大傑作か?」を語るという強引な手法を選びました。

ちなみに彼女が好きな漫画はワンピースです。

「つげ義春を知らない人が、芸術について語っても心に響かない」といって、強引に僕が席を立ったのと、友人が立ち上がったのはほぼ同時でした。

画廊から出た後、「長い時間拘束されたな~」と友達に語りかけたのですが、彼はえらく上機嫌でした。

「どうしたん?」と尋ねたら、「110万円の版画が、特別割引で90万になった」と、ほくほく顔です。

僕が「お前ダマされてるねん!」と、ツッコんだことはご想像のとおりです。

しかし、僕が「あれは詐欺や」と、いくら主張しても「あの絵で俺は、漫画家として成り上がるんや!」と話を聞きません。

結局、友人は5年ローンを組んで毎月、返済に追われることになりました。絵画を購入した男性

後日談ですが、彼はその後、漫画家にはならず、公務員という堅実な道を選びました。

当時は2000年前後だったので、大阪の日本橋、難波周辺では絵画商法がかなり盛んだったのです。

大阪の繁華街の付近には、たくさんのクリエイター系専門学校があったので、えうりあんからすれば、選り取り見取りだったことでしょう。

立ち去る権利は我にあり!画廊からすぐ立ち去るべし

人はホームで力を発揮するものの、アウェイにいくと途端にポテンシャルが下がるものです。

えうりあんの女性に声を掛けられ、画廊に連れていかれた途端、断りづらくなるのはアウェイにいるからです。

普通に考えてください。

喫茶店であなたが誰かと椅子に座り話していて、トイレに行きたくなったらどう言いますか?

「ちょっとお手洗いに行くので」と言って、立ち上がるはず。

「トイレに行くなんて言わず、まあ座りなさい」と言ってくる人がいたら、違和感を覚えますよね?

当然ながら全ての意思決定する権利は、あなたが持っているのです。

えうりあん相手でもあって、それは同じです。

クロージングが巧みなえうりあんは、詐欺を仕掛けようとしている相手が椅子から立ち上がるのをものすごく嫌がります。

なぜなら、立たれると、全てがリセットされ、クロージングの魔法が効きづらくなるからです。

そのため、相手が立った瞬間「まあまあ座ってくださいよ」「もう少しで終わりますから、立たずに聞いてくださいね」と、コントロールしようとするのです。

これは上記の例でいえば「トイレに立たず座っとれ!」という意味不明な命令を下しているのと少しも変わりません。

あなたは、えうりあんに雇われているわけではありませんし、何の恩義もないはずです。

つまり命令される、いわれなど一切皆無です。

「内容のない話だ」「上っ面だけの薄っぺらい話」「ペラペラと口だけ達者で信頼できない」など、不信感を覚えたあなたは、すぐに席を立って立ち去るべきです。

素直に言葉をそのまま聞き続けるというのは、「えうりあんの手の平の上で踊らさられている」と心得ましょう。

万が一、絵を購入してしまっても絵画の申し込みから8日以内であれば、クーリングオフ期間に該当します(※購入日からの起算ではなく、申し込み日から起算します)。クーリングオフ

詐欺師はあの手この手であなたを陥れようとするものです。

恐らく世の中から詐欺はなくなりません。

なぜなら、手を変え品を変え、異なるパッケージでの詐欺が誕生し続けるからです。

みなさんが詐欺師への対策と手口を理解することで、少しでも詐欺被害が減ることを願っています。

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