fa-arrow-circle-right図解でわかる!人生において最も怖いモノの一つ
目次
動画でも解説しております
人間をダメにしてしまうもの
今回はあなたや私たちを知らず知らずのうちに闇へ落とそうとするモノの話です。
以前の動画で説明しました「眠たい」「めんどくさい」並の強豪です。
「眠たい」「めんどくさい」がアーノルド・シュワルツネッガー、セルジオ・オリバだとしたら、今回の相手は「ロニー・コールマン」ぐらいはあると見て頂いて構いません!
皆さんが1番理解しやすい世界のボディビルダーで例えさせて頂きました。
先ほどの話のように我らの内に潜むものなのではありますが、少しだけ性質が違うモノなので厄介なのです。
今回、我々が戦わないといけない強敵の事を僕らは「慣れ」もしくは「麻痺する」というような言い方をします。
「めんどくさい」「眠たい」は毎日闘えるチャンスもあります!
常勝出来る時もあれば、勝てる日、負ける日もあるでしょう。
しかしこの「慣れ」は、あたかも味方のようなフリをしながら攻撃してくる毒素のようなモノで、ある意味もっとも鬱陶しい敵と言えます。
一度負けると生涯ずっと勝てなくなるどころか、大袈裟ではなく廃人になる人間すらいます。
というわけで今回は、その怖さと負けてしまった例を数個、そうならない人間の特徴などを解説していきます。
今回の項目です。
- 慣れ感覚の麻痺とは
- 慣れの怖さ保険マン証券マン
- 慣れの怖さホステス
- 慣れの怖さ長野県建設業厚生年金基金横領事件
- 慣れを防ぐには
1慣れ感覚の麻痺とは
これを常時、気にしながら暮らせている人は、かなり「ザ・イケてる人間」でしょう。
人間をどんどんダメにしていく毒のようなモノです。
何しろ手強いのが、本人が気づかないというところです。
かつ、手を変え品を変え近づいて来て、様々な障害を引き起こします。
身近で言うならば、我々社会人にとっては仕事や職場など誰しもが初日は緊張しており、先輩上司にも精一杯丁寧に対応します。
どのような職種であれ、ミスがないかなぁと何度も確認する事でしょう。
それが1週間経ち1ヶ月経ち1年経ち、どんどんといい加減になっていきます。
あとは車の運転なども免許をとって初めて公道を走る時はかなり緊張します。
教習所と同じように車に乗る前に念入りにチェックする人もいるかもしれません。
しかしそれが、何度も繰り返し運転するようになっていくうちに、歌を歌いながら運転する「ながら運転」になっていきます。
飲酒運転やスマホを操作しての運転で逮捕されるのも車の運転にズバリ「慣れた」人でしょう。
それゆえ細心の注意を払いながら運転し始めた段階よりも、慣れて注意力散漫の場合の方が危ないでしょう。
毎日使用している階段での転落事故が起こるのも、この「慣れ」によるものです。
はじめて見かける階段を慎重に登り降りするよりも遥かに事故が多いのです。
そして僕は職業柄、常連さんの姿を見て、この「慣れ」「感覚の麻痺」により怖いと考える出来事を目の当たりにするのです。
2慣れの怖さ保険マン証券マン
これは僕が他の記事でも「ロクな人間がいなかった職業」「悪人が多かった職業」にもランクしている職業です。
分かる人はすでに共通点がわかる2つの職業です。
トラストリテラシーが高い人、物事の本質を理解出来ている方には楽勝問題です。
それは保険会社、証券会社などは、「お客さんが損をする事がわかっていながら商品を売らなければいけない」です。
無論、この2職の営業マンも当たり前にわかっています。
あとで客に散々怒鳴られますし「詐欺野郎!!」とブチギレられます。
僕が一度動画で勧めた漫画「パチスロひとり旅ゴールド」でも証券マンの名波さんが怒られてました。
「てめーらサギ師と同じなんだよー!」と!
当然、これはこの営業マンだったら誰もが通る道です。
それゆえ、勤めた当初の子が僕の元に来た時は、皆口を揃えて
「僕はもうこんな仕事やっていけません」
「お客さんを騙す事は出来ません!」
と言います。
事実、その時点で辞める子もいます。
しかし、そこで踏ん張りながら仕事を続ける人は、数ヶ月後、1年後会った時、人間はコロッと変わってしまっていて
「まぁ騙される人は他で騙されますしねー」
「たまに得してもらえる時もあるんで〜」
みたいに初めに持っていた罪悪感は「慣れ」か「感覚の麻痺」により、すっかり消え去ってしまうのです…。
僕は結構この保険会社に長年勤めていた男の人生を観ました。
勤めて1年は純朴で「お客さんを騙させない」と言っていた青年が、だんだんと保険を販売し、どんどん成績が伸びていくにつれ、まったくそういった「良心」が消えていく姿を観ていました。
最後の最後は初年度とは逆側で、自分の歩合の手数料がいい商品を売る為にお客様を完全に騙して保険を売るようになっていました。
裁判も抱えたりしていました。
そこはものすごい有名、かつ強い保険会社だったので、もちろん社員を守ります。
皆さん気を付けておいてください。
保険の契約の際、隠し撮りでもいいからきちんと撮影しておかないと裁判で勝てないですよ。
結局、言った、言わんのような話になって負けるのです。
やっぱり、でかい会社は強いですし、そこで結局負けないと分かっているから営業マンも売るのです。
僕の元に来ていた純朴だった青年は慣れに蝕まれていき、立派な立派な悪徳セールスマンにクラスチェンジされたのです。
3慣れの怖さホステス
当サイトにやたら登場する職業ホステスです。
すいません。
占いの相談者に偏りがございまして(笑)
これも2と本当に同じパターンなのです。
だいたい最初はみんなお昼の仕事の給料が安いとかいいバイトをしたいと、学生さんなどが飛び込む世界です。
勤めて2、3日くらいの時はみんな
「明日もこんな仕事できなーい」
「まったく向いてなーい」
と話します。
こんな夜の世界なんて無理なんだと不安を覚えます。
たしかに本当に向いてない子は、この2,3日でパッと辞める子もいます。
でも7,8割くらいはそのまま続けて、どんどんどんどん慣れます。
そして、これは超水商売あるあるなのですが、大学生や専門学生など学校の間はホステスを続けて学校卒業すると同時にキャバクラやめて就職します!って宣言している人間が大体キャバクラの方に就職します。
これが「慣れ」「感覚の麻痺」の怖さなのです。
出勤していくうちに嫌だった仕事にも慣れていきます。
そしてお客さんの「彼氏いるの?」の定番質問にも「いませんよー」と平気で嘘をつく事にも慣れていきます。
そして1番怖いのが金銭感覚の麻痺です。
こういった仕事はもちろん昼のバイトとは桁が違うくらいに稼げます。
するとお金に対する価値が変わっていくのです。
それゆえ、いざ大学を卒業して一般企業の新卒生の月給を考えると馬鹿らしくなってしまうのです。
売れている子なら、月給なんて2,3日お店に出れば稼げるみたいな話になってしまうのです。
もう本当にこのパターンばっかりです。
ほんとばっかり!
僕はちゃんと辞めて昼の仕事に就きなさいって結構注意します。
でも、みんなもうわかってくれないのです。
正直、関西でいうとかなりトップレベルの大学まで行って、超一流企業に就職が決まっていたのに、それを蹴って新地に就職する人がいます。
もったいない話なのですが、そんな子は結構います。
親は何の為に大学まで出させたのかと悲しくなりますね。
4慣れの怖さ長野県建設業厚生年金基金横領事件
僕の相談者さんの話ばかりしてもしょうがないので、皆さんと共有できる「慣れ」「感覚の麻痺」が起こしたビッグな事件を解説していきましょう。
皆さん、「長野県建設業厚生年金基金横領事件」という事件をご存知でしょうか?
先にそちらの説明を簡単にします。
この事件は坂本芳信というおっさんが起こした事件です。
1989年坂本芳信は長野県長野市に妻と小学生の子供2人と暮らしていました。
裕福とは言えないものの、ごく普通の幸せな父であり夫でした。
そんな彼の仕事場は長野県建設業厚生年金基金でした。
国に代わり厚生年金などを運用管理している特別法人です。
県内の建設関係600社が加入し、掛け金を集め運用し、60歳以上の退職者には年金を給付していました。
坂本は事務長代理でした。
大卒ではありませんでしたが、真面目一筋で上司からの信頼も厚かったのです。
300億円もの巨額資金を少人数で運営する事務局の仕事に坂本はやりがいを感じていました。
このとき世はバブル絶頂期、彼らの基金をしきる坂本は年収400万円。
同世代のサラリーマンよりも少ないくらいでした。
しかし、すぐにバブルは崩壊し、掛け金をおさめられなくなる加入会社も多くなりました。
そんな時、誘われて韓国スナックへ行きます。
それが坂本の運命を大きく変えることになってしまいました。
スナックにいる時は嫌な事を忘れられ、女性を気に入り、頻繁に通うようになります。
気がつくと月に20万円もつぎこんでいました。
妻には内緒で銀行のカードローンを組み、少しずつ借金を繰り返しました。
そんな時、それまでの常務理事が退職し、事務局は新たなトップがやってきました。
すると、不慣れな常務理事に代わり、事務局内での坂本の権限は強まっていきました。
ある日、事務局にある大量の切手の一部を売り2400円を着服。
このわずかな額の換金が巨額横領事件へと突き進む始まりでした。
切手を換金する額は徐々に増えていきました。
最初は本当にたった2400円の横領だったのです。
これも恐る恐るやったそうです。
しかし、バレないとわかると、どうしても人間は麻痺してしまいます。
その頃、坂本のいる厚生年金基金は、建設業界の不況続きで入ってくる掛け金が減り、高齢化に伴い受給者は増加。
年間の給付赤字が10億円にのぼっていました。
坂本は事務長に昇進し、加入会社から納められた掛金を全額総幹事会社である生命保険会社に送金する業務を担当します。
すると、東京のファンド運営会社の代表が頻繁に坂本の元を訪れるようになりました。
坂本は何度も誘われ、港区にあるファンド運営会社を訪れました。
高級料亭での接待を受け、夜の銀座へ連れられました。
自分には無縁だった美人がそばに座り優しくしてくれました。
そんな坂本には、この接待が大きく効きました。
接待攻撃をたびたび受け、男から金ももらった坂本は厚生年金基金の新たな運用先に港区のファンド運営会社を指名しました。
事務長が推すなら異論はないと、年金の資産運用は男のファンド運営会社に委託されました。
男と坂本は公私にわたってズブズブの関係になりました。
もはや男から現金を貰うのは当然になり、銀座のクラブへ。
東京で華やかな時間を堪能する一方、長野の勤務先ではいつも通り真面目にしています。
そんな時、坂本が事実上のトップとなったのです。
男から貰う現金は1000万円を超えていましたが、返済できない借金は270万円ありました。
1人で東京へ出かけ遊ぶ金の方が上回っていたからです。
坂本は大胆な手口で横領を始めました。
いつも同じはずの引出し額と振込額をかえ、その差額を着服したのです。
驚くほど雑で大胆な手口でしたが、坂本は堂々と行いました。
横領した金はクラブなどでどんどん使い、5700万円も横領した金は5ヶ月で使い果たしました。
その後も同じ方法で1度に数千万円ずつ横領。
やがてすべて自分でやるのが煩わしくなり、事務員に伝票を提出させ、現金を受け取る所だけを自分が行うようになります。
こうして2006年には3回、2007年には6回、計9回に渡って3億5000万円を横領。
その多くを東京に行ってホステスに貢いでいました。
ホステスにバカにされないようにゴージャスな自分を作り上げていきました。
東京での移動はハイヤーを貸し切り、高級ホテルのスイートルームに泊まり、英国高級ブランドのスーツを身に着け、数百万の腕時計をいくつも持つようになります。
夜の街では早稲田出身の実業家と語り、常に3人のホステスと付き合い、横領した金で贅沢三昧させていました。
リーマンショックによって世界的金融危機になった2008年、そんな世の流れとは逆行するように坂本の金づかいは常軌を逸していきました。
馴染みのママに銀座のビルにクラブを開店させてやり、屋形船を貸切りホステスとパーティー。
水着になった子には5万円あげていたと言います。
2009年8月、生命保険会社の担当者が入金額のチェックにやってきました。
担当者は加入人数に比べて入金が少なすぎると指摘しましたが、坂本は保険会社の運用額を下げるとおどしました。
横領は43回23億円にもなっていました。
そして2010年9月7日、特別監査が行われました。
坂本は21億9000万円を振り込んだとされる銀行の振込受付書38枚偽造。
しかし、バレるのは時間の問題でした。
2010年9月12日、長野県建設業厚生年金基金は被害届を提出。
その後の調べで、横領額は23億8334万円と判明しました。
坂本はタイのバンコクに逃げ、持ち出した金で高級コンドミニアムに暮らし、複数のタイ人女性と交際。
1年ほどで金を使い果たし3年2ヶ月の逃亡の後、2013年11月1日に身柄を拘束されました。
2014年6月25日、長野地裁は懲役15年追徴金430万円の実刑判決を言い渡しました。
控訴はせず刑が確定しました。
最初は切手の2400円の換金でドキドキしながら、それがどんどん慣れていき合計24億円。
偶然ですが、項目2、項目3の保険会社とホステスもしっかりと登場して見事な伏線回収となりました(笑)
というわけで、慣れというのがいかに怖いかというのをわかって頂けたと思います。
ぶっちゃけ、最初の切手でバレていた方が良かったかもしれません。
5慣れを防ぐには
これは実は昔からわかっているから、きちんとことわざで残っています。
じわじわと蝕む危険、本人がやばさや緊張感を忘れてしまうという危険です。
無論、性格というのも大きく加味するものですが、小心者は隙を作らない、小心者は実は最後に勝つというのはこういう部分だと考えます。
常日頃から毎回大切な1回だと思って対処する以外に防ぐ方法はないでしょう。
今回は「慣れ」てしまいダメになった事例を紹介しました。
これを反面教師にしてどんな取り組みにも一生懸命細心の注意を払ってやっていきましょう!
今回は慣れと感覚の麻痺を解説しました。